その子を預かったのは5年生の最後でした。
これまで多くの塾に通い、ほぼ毎日受験勉強。両親が働いているので、子どもと一緒にいられるのは土日だけ。平日は本人だけにしておいても勉強しないから、というので個別指導や塾がほぼ毎日になっていました。
で、本人はまったく自分でやろうとしない。また成績は大手塾にいたものの、まったく振るわない。もう本人はどうでもいい、と思っていたのだと思います。
その子を預かることに決めたのは、このままではまずい、と思ったからですが、しかし本人は、また新しい塾に通うだけで、結局は今までと同じことだ、と思っていました。
なので、気持ちを変えないといけない。
そこで、まず通っていた塾を整理してもらいました。そして春期講習の間、毎日、一緒に弁当を食べることにしました。本当は、午前、午後で分けることができたのですが、あえて、午前と午後にまたがって指導をすることにして、昼ご飯を一緒に食べる。
食べている間はいろいろ話をするわけですが、こちらからはいろいろ聞いてみることにした。何が好きなのか、実はどんなスポーツがしたかったのか、どの科目が好きで、自分は何が得意だと思っているか、まあいろいろ聞いてみる。
聞いてみると、「なるほどなあ」と思うことはたくさんありました。
しかし、何より本人が「この先生は話を聞いてくれる」と思ったことがプラスになりました。
ここまで追い込んでしまうと、やはりダメージが相当大きかったのですが、それでも本人は少しずつ受験勉強をしようという気になってきた。それでようやく親子で話す内容も落ちついてきたようでした。
親はついいろいろなことをさせよう、としてしまいがちですが、本人は本人なりにいろいろな考えがあり、まずは自分の話を聞いてもらいたいと思っているものです。その意味では、やらせることばかりではなく、本人の気持ちをまずしっかり聞き出しておかないといけない。
気持ちが空回りしている限り、勉強するはずはないのです。
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