合格点を取る戦略(1)

過去問を勉強していると、どうしても気になるのは合格点との乖離でしょう。

うまく、各年度の合格点を突破していればいいが、20点不足、30点不足などということになると、
「これは志望校を変えた方がいいんじゃないか?」
という考えが頭をよぎると思います。

入試日程は短い。東京・神奈川、関西、1人が受けられる学校はそう多くはありません。昨年の平均受験校は6校弱。しかし2~3校はお試し受験や滑り止め。ということは本当に勝負をかけるのは2~3校程度でしかないわけで、その大事な日程に「無理な学校を入れていいのか?」という議論はあるでしょう。

最初の模擬試験の結果も出始めたところで、過去問の結果と合わせて、合格点をどうとるのか?という戦略を考える必要があります。

その戦略が成り立てば、まだ志望校を変更する意味はあまりない。むしろ、それを考えずに成績に一喜一憂することは避けてください。

例えば300点満点の学校がある。
算数、国語は100点満点。 理科、社会は50点満点。
例年の合格水準は200点前後。
で、現在、家でやっている点数は160点程度。
乖離は40点あります。

この40点は遠いと感じられると思うのですが、もう少し分析がいります。

160点が例えばこんな風であったとしましょう。

算数50点
国語60点
理科25点
社会25点

さて戦略は?
どの科目も5割程度ですね。だから全教科がんばらなければいけないというのが普通の判断でしょうか。

私なら、まずは算数と社会かな。と思います。

国語の60点は、まあ、こんなもんでしょう。できる子で80点前後とれるのかもしれないが、国語は長期的に文章経験を積む結果が出てくるので、短期的には改善しない。

だから、コンスタントな演習は必要としても、短期的にどうなるものでもない。

一方社会は、暗記の範囲が広い分野です。45点とるのは難しい。ただ35点はとれるでしょう。

だから社会でまず10点加算を考えます。

次に算数。算数は出題傾向によって対策が異なります。出題傾向は

(1)単答型
(2)記述型
(3)併用型
と分類することができます。

例えば(2)の記述型で50点とれているとするならば、あと1問できれば合格するレベルに達します。なぜか。1問が25点前後あるからですね。

逆に単答型だとすると、あと30点ぐらいはとれないといけないかもしれない。しかし、そこを突破すれば、合格できる範囲に入ってきます。

そうなると、実は最も重要だと思われるのは算数ということになる。実際に年度によって算数が7割とれたり、8割とれたりすることがあるとすれば、そこをどう安定させるのか?というのが最も重要な課題になってくるわけです。

模擬試験の結果も、参考になるでしょう。例えばみなさんはどうしても4科総合の偏差値が気になると思うのです。が、どちらかといえば科目別の偏差値の方が気にした方が良いのです。

各教科の仕上がり状態をチェックする。例えば社会では

偏差値が60を取れている場合は、ほぼ仕上がりに近い。
50台は普通。逆に言えば、もう少し点数が取れる。
40台は努力不足。

社会の偏差値が40台で過去問が25点であれば、まだまだやることはあるという感じですね。

今の塾は、科目別に先生がいるので、総合的にどう?という判断をする機会が少ないのです。しかし家庭では、ここは何をすてて、ここに集中するという戦略を考えることができます。

だから、お父さん、お母さんがぜひそれを考えてあげてほしいのです。

次回は各科目の中で、短期的に改善する道筋についてもう少しお話を続けてみたいと思います。


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