1×2×3×・・・・×100の積は1の位から何個0が続きますか。
という問題はよく基本として使われますが、ここからまたいろいろな発展があります。ただ基本の考え方を単に覚えているのではなく、なぜそうなるのか、ということを理解しておかなければ、考えを発展させることはできません。
2012年の筑駒の問題です。
1からaまでの連続した整数をかけて数をつくります。このようにしてつくった数について、一の位から連続して並ぶ0の個数を、記号(a)で表します。
例えば、1×2×3×4=24 なので (4)の数値は0
1×2×3×4×5=120 なので (5)の数値は1です。
次の問いに答えなさい。
(1) (10)、(15)の数値をそれぞれ答えなさい。
(2)(0)の数値にならない整数があります。それらのうち小さい方から2つ答えなさい。
(3) (1)、(2)、(3)、……、(125)の数値の合計を求めなさい。
(解説と解答)
1×2×3×・・・の積で1の位から0が何個続くか、という問題は数の性質のパターン問題でしょう。
0というのは10倍されてでてくるので10を素数分解すると2×5 で偶数はたくさんありますから、5が出てくるタイミングで0が1個でてくることになります。
5で1、10で2 15で3 20で4なのですが25は5×5なので次は6になります。まあ、これが(2)のヒントになるでしょう。
したがって(1)の解答は
(1)(10)の数値…2 (15)の数値…3
ということになります。
(2)は5がないことがわかるので、25の倍数を気をつけてみることにしましょう。
30が7、35が8、40が9 45が10 次が50でこれがまた2つ増えるので12
ということは11がないことがわかります。したがって答えは
(2)5、11
ということになるでしょう。
(3)は分類が必要でしょう。
1~4までは0
5~9までは1 1×5=5
10~14までは2 2×5=10
15~19までは3 3×5=15
ということになります。125まで考えてみるわけですが、まず飛ばされる数を特定します。
25の倍数で飛ぶことはわかっていますから、
5がなく、11がない。次は75のときです。
50が12 55が13、60が14、65が15、70が16 75が2つ増えて18 次に飛ぶのは17です。
5、11、17となりますから、等差数列で次にないのは23、
これが100の場面で(100)=24になります。
ここで気をつけておかないといけない。125=5×5×5ですから、(125)は3つ増えます。
次にないのは29ですが、30もないのです。
125を素数分解すると125÷5=25 125÷25=5 125÷125=1ですから
(125)=25+5+1=31ですね。
そうなると和については全部足したあと、出てこない数分を引けばよいという発想になります。
(1+2+3+・・・・・+28)×5-(5+11+17+23)×5+31となりますから
(1+28)×28÷2×5-56×5+31=2030-280+31=1781が答えになります。
(3)1781
ひとつの考え方を発展させる、良い例と言えるでしょう。