素点と見込み点

この時期の過去問は、素点と見込み点の乖離をできるだけ小さくする練習をするためにやるべきです。

素点とは、まず時間を計ってやったときの点数。

見込み点とは、答えあわせをした後、解答を見ずに間違いなおしをして、とれる点数。

解答を見ていませんから、自分の答えが違っていたという情報のみで、もう一度やり直したときにとれる点数が、見込み点です。

つまり、本来なら「とれる可能性があった」点数といえるでしょう。

この時期、この見込み点と素点の差が激しい子がまだまだ多いのです。だから、なるべく素点を見込み点に近づける努力をしないといけない。

直しが終わったら、解答・解説を見て復習するわけですが、その結果、わかった問題は後にできるようになるかもしれない。しかし、2回やってできなかったのだから、できないままで終わるかもしれない。

こういう問題は、本人にとって正答する可能性がそれほど高くない問題なのです。しかし、1回の直しでできる問題は正答する可能性が高かったのです。

正答の可能性が高い問題を落とすのは、もったいない。

だから復習した後に、見込み点で新たに増えた問題について、対策を考えます。

どうすれば、この間違いをなせるのか。次に同じようなミスをしないためにはどうすべきか。

その直すべき点を、本人が意識しない限り、何回過去問をやり、模擬試験をやっても同じ結果になります。ザルで水をすくうようなものです。

逆に素点と見込み点の乖離がどんどん小さくなれば、それだけ点数が上がり、合格可能性は今の力でも大分変わってきます。

この素点と見込み点の乖離を埋める直しと反省の作業をしない限り、何回やっても本人の点数はあがらないし、不安定なままになりがちです。

何年分をいつまでに終わらなくてもいいが、1年分やったら、「何か直せる」ようにしておきましょう。


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